進学塾の塾講師は生徒をその志望校に合格させるというのが最大の役割です。
でも正直なところ、その志望校に合格させて本当に幸せな学校生活を送れるのかな? と口には出さないですが本心では思っていることがあります。
以前もこんな記事を書きましたが。
jyukukoushiburogu.hateblo.jpどう考えても志望校が本人の能力や学力や将来やりたいことからズレすぎている場合があるんですね。
塾講師はその学校の特色をよく把握していますので、たぶん中間・期末テストはこれくらいの成績になるなとか、どういうところでつまづきそうだな、というのが入学していなくても現状から推測して近い将来の姿がよくわかるんです。
入試直前に詰め込んで、無理矢理合格しました、そこまでは良いとしても、そのあとどうするんだろう、と考えてしまうことがよくあります。
で実際、手の届くわけのない学校に無理矢理合格して、そのときはやったー頑張ったねー奇跡が起きたねーなんて形式上一緒に喜ぶわけなんですけれども、数ヶ月すると周りに全然ついていけずに退学しました、なんてケースけっこうあるんです。
いや合格した場合はまだ救いがあるとして、不合格だった場合が最悪で、塾が悪い、講師が悪いと騒ぎ立てられるケースもあるわけです。こっちはその志望校がダメだってわかっていたのに、無理して受けて案の定落ちて、その仕打ちです。誰にも何のメリットもありません。たまったもんじゃありません。それでも塾講師は、残念だったけれど受験したことに意義がありましたね、学びがありましたね、なんてフォローを入れて次を目指させるわけです。
やっぱり志望校というのは、その生徒に合った環境、ふさわしい学力、やりたいことが見つかる学校を選択するべきだと思うんです。
まぁ高みを目指すことで今まで目に見えていなかった次のステップに気付けることというのもあるかもしれませんから全員が全員見合わない志望校に合格するのが駄目というわけではないんですが、あからさまに合わない学校を選択している際には周りがどうにかして止めてやるべきなのではないかと思います。
なお塾講師がそのストッパーの役割をするのはNGなんですよね。所詮は民間企業の一社員でしかありませんから、模試の結果や普段の授業の様子からそれとなく伝えるしかできなくて、でも生徒本人や保護者や学校の先生がOKとするならば、その志望校に受からせる選択肢しかありません。
塾講師にはその生徒の人生の選択の介入権はなく、あくまで補助。やりたいと言うのならばダメでも支えるのが仕事です。
ちなみにそのタブーを破って無理矢理止めるとどうなるかというと、会社からめちゃくちゃ怒られます。
会社としては生徒のその後の人生なんてどうでも良くて、より高い偏差値の志望校に合格させたという実績が欲しくて仕方ないですから。現場で働く講師は教育だと思って仕事をしていますが、会社は経営。より高い偏差値の学校にさえ合格させればそれで良い、それが次への集客に繋がるという考えです。
会社の経営陣、もっと現場のことをしっかり知った方が良いと思うんですよね。これたぶんどこの進学塾も一緒だと思います。とにかく受からせれば良い、生徒の成績を上げれば良い、という経営者ばっかりです。
生徒に寄り添って学習を、なんて綺麗事になっています。
これ、入試の終わりかけのこの時期、毎年毎年すごく悩むことなんです。
いっそのこと自分で一から会社を立ち上げてやった方がうまく回るんじゃないかなとか思いつつ、でも結局は組織化したら今の会社の経営陣と考え方が同じになっていくに決まってるよなぁとか、その狭間で深く落ち込みます。
とりあえず生徒の皆さん、そして保護者の皆さん、普段の学習や模試の結果をよく受け止めましょう。そして将来やりたいことを見越して適切な志望校をしっかり選択しましょう。
間違った選択をしないことが大切です。