藤原定家(ふじわらのていか・さだいえ)は、平安時代末期から鎌倉時代にかけての詩人・歌人です。公家であり、京極中納言などと呼ばれていました。生まれは1162年とされ、その頃にはもう仮名文字ができあがっていましたので、その仮名文字を駆使しつつ様々な書を作成し現在にも残っています。
その藤原定家の書ですが、かなり文字が個性的です。1文字ずつ見ると決してヘタというわけではないのですが、バランスが独特で全体として殴り書きのような印象を受けます。
特に左ハライ、左の打ち付けがほぼ小筆の穂全体を使って書いていたくらい太くなっており、おそらく手首のスナップを使って書いていたのでしょう。筆は、書道をやっていた方ならわかると思いますが、手首はせいぜい目立つハライを行うときくらいにしか使いません。なるべく筆を立てて、腕全体、体全体を使って書いていくことで安定した文字となります。藤原定家はそのセオリーをぶち破って、独自の書体を完成させたと言って良いもかもしれません。
なお詩歌に関しても幻影的、夢幻的とでも言いましょうか、ほかとは一線を画す情緒があります。
今でいうアーティスト気質の公家だったんでしょうね。