現役塾講師の教育さまざまブログ

現役塾講師が日々思っていることを様々綴ります。

塾講師はこうやって授業の準備をすべし

塾講師も授業のためにいろいろ事前準備として問題を解いておかなければなりません。

慣れてくるとその問題が出たらどうヒントを出してどう教えて何がポイントなのか反射的にわかるようになるのですが、慣れないうちは十分な事前準備が必要です。

この準備のことを教材研究などと呼ぶのですが、基本はまず生徒に解かせる問題はまず自分でしっかり解いてみることです。どう教えようというのは置いておいて、どういう思考でどういう流れでその問題に取り組むかを確認するためです。すると生徒のつまずきポイントがわかります。またその問題にどのくらいの時間をかけるべきなのかも見えてきます。授業の時間は有限なので、時間配分も同時に考えるわけです。

次に、その問題に取り組むために何の知識や理解が必要なのかポイントを整理します。これが実際にはその問題を取り組ませるにおいて最初に生徒に教える部分になります。集団型グループ授業でしたらどうまとめ上げるかも考えます。生徒がノートにとることを見越して実際に紙に書き出してみると良いと思います。これを板書計画書と呼びます。

個別形式授業でしたら、どのように手助けするか考えると良いです。ただ解かせて答え合わせ、というような単調な授業にならないようにしましょう。生徒に自分で考えさせて答えにたどり着かせる工夫を凝らしましょう。

 

答え合わせをする際も、用語や言葉の問題だったら教えて内容をしっかり把握させる必要がありますし、説明する問題だったらどういう思考の流れでそういう答えになるのか理解させる必要があります。これも塾講師のウデです。うまい講師はここで理解とともに反復と定着も図ります。

 

そして最後に、生徒からどのような質問が飛び出すのかの吟味です。自分が学生時代、そういえばこれを疑問に思っていたなぁとか、こう教えてもらっていたらもっとできたのになぁとか、そういうののあぶり出しです。

 

こういう作業を、授業の直前とかではなく1週間前までに終わらせておきます。毎週同じ曜日の同じ時間帯に授業があるわけですから大変です。1週間前までに終わらせておくと、やっぱりここはこう教えた方が良いかも? という閃きが授業本番までにさらに生まれる場合があります。これがより良い授業を行うコツだったりします。

 

私の場合、駆け出し講師の頃は教材研究を1日3時間以上やると決めて、それを3年ほど続けていました。どんな教材も、よーく教材研究するとちゃんとその単元のポイントに理由があって、次の単元でどう展開させて、だからこれが学べるようになっている、というのが段階的に本当によくできています。ベテランになった今でもいまひとつどう展開させたら良いのかふわふわした感じの単元ではポイントの洗い出しを行ったり問題の解き直しを行ったりしています。

大切なのは、生徒も頑張っているわけですから、生徒以上に問題に取り組む数と時間はとらなければならないという点です。場当たり的に教えられれば良いや、という講師はやっぱり授業の内容も浅いんですよ。

学生講師とプロの講師の違いはこれです。

 

手抜きする講師になってはいけません。なによりその生徒の将来がそのウデにかかっているわけですから。

300パーセントくらいの準備をして1つ1つの授業に臨みましょう。実際に授業に出すのは体感で20~30パーセントくらいですけれどもね。