現役塾講師の教育さまざまブログ

現役塾講師が日々思っていることを様々綴ります。

教科書では教えてくれない「海が綺麗になりすぎている」問題

1960年代~80年代くらいの頃は海洋汚染が問題視されていました。公害も問題でしたね。また汚染以外にも、河川の整備が進んでおらず大雨が降ると土砂が流れ込み海にまで到達、赤潮の被害などが多く出ていました。

90年代に入るとインフラ維持や環境保全、生態系保護がさかんに叫ばれ、河川工事や堤防の建設などが活発に行われ、綺麗な海へと変わっていきました。

そして現在では海は綺麗に、めでたしめでたし、

 

・・・ではなかったのです。

今は逆に、海が綺麗になりすぎているという問題が発生しています。

 

どれくらいヤバいのかというと、例を挙げます。

全国の漁獲量は、1985~86年くらいが1200万トンでしたが、現在では約400万トン。最盛期の3分の1ほどに落ち込んでいます。瀬戸内海は養殖で有名ですが、同じく1985~86年の頃には48万トンの規模だったのが、現在は15万トンほど。瀬戸内海といえばタコが有名ですが、タコだけに限ればここ20年間で2~3割ほどに減少しています。特にタコの減少は著しく、ここ数十年でもっとも減少したとされる2024年をピンポイントで見ると143トン、最盛期の10分の1未満となっています。

一時は乱獲により漁獲量が減少しているといわれていた時期もありましたが、どうやらこれは海が綺麗になりすぎて魚の餌であるプランクトンが大幅減、それにより魚が育たない海ができあがってしまっていることが一番の要因のようなのです。

ほかにも栄養不足による養殖海苔や養殖わかめの色落ちの問題が発生していたり、植物性プランクトンの減少が原因で今度は魚の餌にならない大型プランクトンが大量発生したりと、様々な問題に直面しています。

 

こういった問題をうけ、2021年から瀬戸内では生活排水の規制緩和を行い、逆に海に生活排水を流すことでプランクトンの発生を助けるといったなんとも皮肉な取り組みが行われています。

綺麗な海を取り戻そうと尽力していた結果がこれというのはなんとも。

 

現在は地球温暖化による海面温度の上昇の原因も重なり、海の生態系も変わってきていると言われます。

教科書だと「赤潮の被害が~」「アオコの発生が~」「公害問題が~」と90年代の感覚のまんま情報が止まってしまっていますが、より重大で、取り返しのつかない問題が発生してしまっていることは頭に入れておくべきです。