現役塾講師の教育さまざまブログ

現役塾講師が日々思っていることを様々綴ります。

教育現場へのタブレット端末導入、って結局どうなの?

結論から言いますと、便利よりも不便さの方が勝ってしまって、駄目です。

一部はそのまま使われるのでしょうが、かなり限定的に使っていくしか無理なんじゃないでしょうかね。

 

学校の先生とたまに話す機会がありますので、導入例を挙げます。

その学校では電子黒板、電子教科書も完備させており、生徒にも1人1台のリースタブレットが配布されています。画面共有すれば電子黒板の内容が一斉に配信される仕様。

はじめこれは便利だ!と意気揚々授業を準備したそうですが、現実はそう甘くはなかったそうです。

授業が始まると、「タブレットを家に忘れました」「充電してないので使えないです」という生徒が数人。

慌てて職員室に走り予備のタブレットと充電器と延長コードを抱えて教室に戻り対応すると、今度は「Wi-Fiに繋がらないです」「ログオンできないんですけど」が続出。

それも対応しているとまたもや「先生、充電切れたんで充電器貸してください」が。

画面がわからない、操作の仕方がわからないも続出。

結局まともに授業できず、大半がタブレットの使い方の授業のようになり、それがほぼ毎回。

それで心折られて、現在では定期テスト範囲の配信と学級だより、あと一部の課題・宿題のみタブレットを活用している状況だということです。

 

専門学校や私立学校ではタブレットのトラブル対応専門の職員をわざわざ授業に配置しているところもあるようですが、それはその学校に潤沢な資金があるからできることです。公立学校ではそんなの無理ですので、授業を成立させようとしたらよほど生徒がしっかりしている学校でないとどうにもならないのではないでしょうか。

 

かくいう私も新型コロナの影響下、電子機器投入を行ってみたことがありました。

年度のはじめにどうしても保護者会を開催したくて、でも密は駄目ですから、動画を生配信してみたことがあります。自宅でらくらく保護者会、そして資料もpdfで配布、最高じゃないですか。

わざわざイヤフォンマイクの業務用のやつを自腹で購入し、配信用に栄える資料をあれこれ試行錯誤しながら作成。いざ当日!

でもやはり現実は甘くありませんでした。

保護者会の時間直前、こちらは準備でバタバタしているときなのに、「どうやって繋ぐんですか」「ログオンはどうやるんですか」「パスワードがわからないんですが」の電話が殺到。事前にメールでもプリントでも説明していたにもかかわらずです。

挙げ句「自宅にWi-Fi環境がないしネット回線も遅いので動画は見られないのでどうしたらいいでしょうか」という質問まで来る始末。それは直前じゃなくて事前に相談しろよ、と憤りを隠せず。隠しましたけど。

開催開始時刻を過ぎても対応が終わらず開始時刻が大幅遅れ。

さらにはようやく話し始めても「先生の声が聞こえない!」と電話。よくよく原因を探ってみたら、保護者が自分のマイクをミュートにしたと思い込んでスピーカーをミュートにしていました。なんだそれ。

ちなみにその電話対応は、私が画面に映って説明している最中なのにそれを中断して対応しましたからね。

 

そしてようやく無事(?)終了しても、「画面だと見づらかったから後で資料を印刷して直接ください」と電話が。pdfファイルを配信しているにもかかわらずです。

まぁそれは自宅にプリンターがないという方もいると思うので仕方ないことなのかもしれませんが。

でも配信用に準備した資料だとそのまま印刷してもレイアウトが良くないんですよ。

結局資料全部を編集しなおして、印刷しても栄える仕様に作り直し。

1人だけにプリントを配布すると不公平になってしまうので、全員分印刷し郵送。

動画配信したせいで事前準備も事後処理も、そしてその最中も、すべての手間が10倍くらいになりました。お金もかかりましたし、しかも自腹。もうやだやりたくない。

 

そういえばスーパーマーケットなどでもセルフレジの導入が進みましたが、それも店がうまく回らない原因になり撤去が相次いでいるそうですね。飲食店でも注文用タブレットを導入し、若者が多く集まる店ならさほど問題ないそうですがそれでもトラブルはあり、またそうでない店はより労力が必要になってしまったとか。

 

一部の情報強者気取りの人々がそうでない人たちを置いてけぼりにして電子機器を導入したせいで、どこも大混乱です。

ましてや教育現場は子どもを相手にするわけですからそううまく回るはずもなく。

環境問題からのペーパーレスとか様々な議論はありますが、やっぱりアナログが最強です。